慢性疲労症候群とは、身体診察や臨床検査で客観的な異常が認められない状況で、日常生活を送れないほどの重度の疲労感が長期間続く状態をいい、その原因は、身体的なもの、精神的なものを含め分かっていません。 患者には説明がつかない疲労が6カ月以上継続します。
あなたは疲れていませんか?
あなたは疲れていませんか?ドリンク剤の売り上げが年々伸びているのは、多くの人が疲労を感じているからにほかなりません。
この外来では、「慢性疲労症候群」と呼ばれる特殊な病気の方を対象に診療を行うことを主な目的としています。 微熱やのどの痛み、痛み止めが効かない頭痛、動いた後の筋肉痛に悩まされていたら、この病気かもしれません。
あるいは、あなたのお子さんが不登校だったとします。本人は学校に行きたいといっているのに、体がだるくて学校に行けないといっている場合もこの病気の可能性があります。 慢性疲労症候群はきちんと治療すれば必ず治ります。しかし、この病気は通常行われる検査では、まず異常は認められません。 ですから、多くの方は「精神的なもの」、「なまけている」、「うつ病」などの診断で、納得のいかない日々を送っておられます。
このような方々のために、当院では、「慢性疲労外来」を行っています。慢性疲労症候群の診療実績のある医師・日本疲労学会で診療拠点として登録されている医師が診療にあたります。 ただ、病気の特性上、ゆったりした診察が必要です。それは、これまでの治療や症状の変化を確実に把握するためです。
初診時の予約は、当病院の外来にて電話で受け付けております。再来の場合には、診察室で次の予約を行います。 現在通院中の方は、ぜひ主治医の紹介状をお持ち下さい。慢性的な疲労でお困りの方、疲労感が続いて心配な方は遠慮なく、気軽にご相談ください。
慢性疲労症候群とは?
健康な人(40歳代まで)に突然、原因不明の全身倦怠感・微熱・頭痛・脱力感・思考力の低下・抑うつなどの精神症状がおこり、この状態が6ヶ月以上続いて、健全な社会生活をおくれなくなるというものです。女性は男性の2~3倍の割合で発症します。
【主な症状】
・微熱(37.2~38.3℃)
・咽頭痛
・原因不明の筋力低下
・筋肉痛
・頭痛
・腫脹や発熱を伴わない移動性関節痛
治療
慢性疲労症候群の治療は、薬物療法が中心に行なわれます。そのなかでも、主になるのは「捕中益気湯」などの漢方薬を用いて、身体の免疫力を高める治療です。そして、体内の活性酸素による細胞の障害を防ぐため、抗酸化作用をもつビタミンCを大量に服用します。
他にも抗ウイルス薬や免疫調整剤が使われることがあり、これらの投与によって免疫系の回復を目指します。また、うつ病向けの薬が効果を発揮することがあり、抗うつ剤、精神安定剤などが使われることもあります。
また、内科的な治療による効果がみられない場合、ストレスに対処するための方法を患者と医者が話し合いながら見出していくための、カウンセリングによる治療も行なわれます。